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“演奏をちょっとおしゃれに”の3回目。


ここでは、リズムフェイクの実践についてお話します。


前々回と前回で、メロディーフェイクの概要的なことと、

滑らかな演奏に知っておいた方が良い、強拍と弱拍について、

サクッとお話しました。




それを踏まえて、それでは始めましょう。




【3】リズム・フェイク

メロディーフェイクとは、

「本来のメロディラインに少し変化をつけて

歌ったり演奏したりすることを指す。

フェイクは基本的なメロディラインは外さず

装飾的に変化をつけるテクニック。」


ということは、概要でお話しましたね。



今回お話する『リズムフェイク』も、メロディー・フェイク手法のひとつなのですが、

音程などメロディーラインは変えずに、譜割(リズム)のみを変えたフェイクのことです。




譜例 2

bcd





今回はアメリカの大衆歌謡「Aura Lee」を例に解説いたします。

この曲は、エルビス・プレスリーが「Love Me Tender」という歌詞で歌い大ヒットしました。





譜例2-Bをご覧ください。

テンポは別として、原曲はこんな感じです。







次はこれを元に、少しシャッフル系の軽やかなニュアンスを加えてみましょう♬



譜例2-C




1小節目と2小節目では、それぞれ1回づつ8分音符を使って、シンコペーションを入れてみました。


シンコペーションでは、前回の強拍弱拍のところでもお話したように、『弱拍の音と強拍の音がタイで結ばれることによって、強拍と弱拍が入れ替わる』ことになります。




前回、あくまでも一般的にですが、

弱拍部の音符は若干短めに演奏する…

とお話しました。



実はオカリナにとっては、これが演奏において非常に重要なファクターになると思っています。



理由は単純です。

オカリナは、強弱の表現が苦手な楽器です。

皆様お分かりの通り、強弱表現には音程(ピッチ変化)が直結してしまうから。

ただし、音符の長さの表現であれば、問題なく可能ですよね(^^♪



メロディーフェイクに限ったことではなく、いつもの演奏でも同じです。

たったこれだけ意識するだけでも、演奏の質は大きく変わります。

たとえば演奏にGroove感が生まれると思います。

このことを実践されている演奏は、ボクの聴いた限りでは非常に少ないです。


 
オカリナにとって、数少ない演奏表現の選択肢のひとつですから、使わないと勿体ないと思います。




ここまで読んでいただいた方の中には、

強拍と弱拍ってなんだっけ…?

という方もおられると思います。

前回のブログ記事のリンクを貼っておきますので、復習にお使いください。

演奏をちょっとおしゃれに・強拍と弱拍





話が前後してしまい、申し訳ございません💦。

譜例に戻りましょう。




譜例2-Cの3小節目です。

ここでは、1拍目の4分音符を8分音符に分解して、小節後半にシンコペーションを2か所加えた例です。



結構単純でしょ?(笑)



けれど、これくらいでちょうどいい加減なのだと思います。

やり過ぎは、原曲のイメージをも変えてしまう恐れがあり危険です。

『おしゃれ』な範囲のフェイクに留めるのも、良質な演奏表現のひとつだと思います。





譜例2-D



このパターンも良く使われます。

1小節目と3小節目の1拍目に8分休符を入れてあります。

違いは、1小節目はシンコペーションで強拍で入り、シンコペーションにつなげるパターンです。

3小節目は弱拍で入り、シンコペーションにつなげるパターンです。

シンコペーションでの入りや弱拍での入りは、それぞれ軽やかなニュアンスが強調されて、シャッフル度が増します。


しつこいようですが、弱拍での入りは音を短めに☆☆☆




例として今回は以上2つをご紹介いたしましたが、

他にもいろいろなパターンがありますので、

積極的にお試しになることをお勧めします。




基本的にメロディーフェイク(リズムフェイクも)は、

ライブ演奏的な扱いになります。

楽譜に明記した時点で、

それはメロディーフェイクではなく、

編曲として扱われます。



したがって、

ソロ演奏時に効果的に活用するためには、

普段から実践して(試して)、

メロディーフェイクという手法に慣れておくに越したことはありません。


ご活用ください。



次回は、最終編『アプローチ・ノート(装飾音)』のお話です。

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